聖人と鍵

ペテロをはじめとしてキリスト教の聖人には他にも鍵と関連の深い人物がいます。
まずはじめに2つの鍵が交差した図像はペテロを表していますが、さらにアインジーデルンの聖アールデルリヒやマイセンの聖ベノ。
それからコルドバをムーア人から奪取したというスペインの国王聖フェルナンド3世、聖ガメルベルトゥス、聖ジュヌヴィエーヴ、シュタインフェルトの聖ヘルマン・ヨーゼフ。さらに聖ラウレンティウスによって改心させられたという獄吏の聖ヒッポリュトス。リエージュの聖フベルトゥス。アンジェの聖マウリリウスにローマの聖ペトロニラ。この聖ペトロニラはペテロの娘とされています。
十二使徒の一人であるフィリポは蛇と鍵によって象徴されます。トンゲレンの聖セルウァテイウスは使徒ペテロから銀の鍵を受け取ったとされています。

それから聖人になった教皇のすべてが鍵をもっています。
例えば聖ベネディクトゥス11世、12世、聖インノケンティウス5世、聖ケレスティヌス5世などです。

鍵束を持っている聖人もいます。
聖マルタやラッテンベルクの聖ノトブルガ、ルッカの聖ツィタ、ローマの聖ペトロニラや聖ウェレナなどです。このように鍵束を持っているのは主婦や奉公人の守護聖人として描かれています。

ペテロを象徴しているような2つの交差した鍵はローマ巡礼者のシンボルでもあります。
そして鍵が主婦を象徴しているというのは主婦が家や蔵などを守る役目を持っていたことからそのようにされています。これは西洋だけではなく日本でも一緒です。